火花 by 又吉直樹 ~笑いって何だろう?【書評】

書評

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私は「お笑い」についてはそんなに番組を見ないほうだと思います。

 

最近だったらダウンタウンや明石家さんまなどいろんな有名な方がいらっしゃいますけれど、テレビではそんなにお笑いの番組を選ぶことはないかも・・・という感じです。

 

ですから、たまに見るとお笑い番組も面白いんですよね。

 

そんなお笑いの中で生きている芸人を主人公にしているのが、この「火花」です。

 

んー実はピースの漫才を見たことがない・・・・(^^;)

ある意味先入観なく読めるのはよかったかもしれません。

 

火花のあらすじ(ざっくりですけど)

熱海の花火大会で出会う売れない芸人の主人公 スパークスの徳永と先輩芸人のあほんだらの神谷。この日、徳永が神谷に「弟子にして下さい」と頭をさげたところから始まる二人の芸人の交流を独特のタッチで描いています。少しずつではあるが売れ始める徳永とは対象に、天才肌の神谷はなかなか世間に受け入れられず、彼女とも別れ次第に落ちぶれていく。その後は・・・。という感じの小説です。

 

最後は「そうなるのか~(^^;)」とびっくりしましたけど。

 

 

 

火花を読んで見て思ったこと(感想)

そもそも「芸人さんが小説を書く」ということははじめてですよね。だから、売れっ子芸人の生涯をドラマ化するということはあっても、実際にドラマの脚本家の方が芸人のかたということは滅多にないと思いますから、ある意味、芸人さんであり小説家というのはピース又吉さんの独壇場かもしれません。

 

私はお笑いはあまり詳しくないので、芸人がどのような風に生活をしているのか、どうやって芸能界をのし上がっていくのかはあまりわかっていなかったので、そういう意味では興味を持って読んでいました。

 

「笑いに生きる」とはどういうものなのか。

「笑い」って何だろうか。

 

そんなテーマが読んでいるうちに思いつきました。

 

頭を使って相手を笑わせようとするのか

自分の生まれ持った感性やセンスの「笑い」を提供するのか(相手が笑うかはわからない)

 

芸人の世界は難しいなぁ(^^;)

でも、私は他の人の「素」を見たときが一番笑うんですよね。。。

 

でもどちらが正しいかなんて正解なんてないのかもしれません。でも結果的に「笑い」のある世界にいたいなーと今は思うのです。そう思うと、私は芸人ではありませんが、普段、他の人にどんな「笑い」を提供できているのだろうか・・・と振り返りました。

 

・・・あんまりできていない(^^;)

 

・・・そう考えると難しいぞ・・・。これでは誰かが「笑い」を提供してくれないと「笑い」の世界にいれないではないか。・・・と受け身になってもなぁ。これはセンスだよなぁ。。。

 

ふと、今から自分がもし誰かの笑いを取れたときには、私は「頭」でやっているのか「センス」なのかをちょっと振り返って整理してみよう、そう思いました(^^)

 

最後にですけれど、この小説はあくまでも徳永が主人公なので、主人公視点の神谷を見ている状況(客観視や徳永の主観)なんですが、なんとなく神谷自身の視点のものがあれば、もう少し入り込めるのかな・・・と感じました。

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