今朝、突然地震が発生し目が覚めました。私が住んでいたところは震度2の揺れで、早速ニュースを見ると長野県南部でマグニチュード5.7のようでした。中心位置は木曽町付近。2014年秋に噴火した御嶽山(標高 3,067m)の近くでした。
私はずっと、御嶽山登山のブログを書こうと思っていたのですがなかなか筆が進みませんでした。楽しかった山行だったのにも関わらず、あの噴火の状況をテレビや新聞で知るにつれて、そのときは想像もしない噴火と被害にあったみなさんのことを考えるとどうしても書けなかったのです。しかし、今日、地震が発生したことをきっかけに、あの山のことを書こうと思いました。
この記事はその御嶽山の特に8合目より上の箇所を主に書いていきます。今はおそらくその姿は変わり果て違うものになっているのだろうと想像していますが、これを読むみなさんのなかでは、ありし日の御嶽を思い出したい方もいらっしゃるのではないかと思いますので、これらをうつす写真とともに記事をお送りしたいと思います。
一応、注意事項ですが、2017年6月現在、御嶽山へは入山規制が継続されています。もし御嶽山登山の規制について詳しいことを知りたい場合は、長野県木曽町、ならび 岐阜県下呂市にお問い合わせください。
また御嶽山の火山状況については、気象庁のホームページも合わせてごらんください。
今回ご紹介する御嶽山登山のコース(黒沢口コース)
登山をした時期は、ちょうど噴火する約1年前の夏(2013年8月)です。あのときは御嶽がこんな噴火をするとは思いもしていませんでした。眼下にはすばらしい自然が私たちを出迎えてくれて、ただただその荘厳なただずまいに感動していました。
登山コースとしては、御岳ロープウェイを使って飯森高原駅まで上がり、そこから黒沢口コースを使って、女人堂、石室山荘、御岳山頂上へ向かい、二の池、五の池を回って戻ってくるコースをとりました。
御嶽山 女人堂~石室山荘~覚明堂への道のり
初日は御岳ロープウェイで高原駅まで上がり、女人堂まで登りました。名古屋からの移動時間を含めて、まずは女人堂で一泊することにしたのです。ここはお風呂もありますので、夏場の暑いときでも安心して宿泊できます。女人堂の標高は2,470mですので、ここから見る風景はとてもきれいです。
写真は女人堂から見た朝日の様子です。雲が広がる風景から上がってきた太陽はとても幻想的でした。
これから、御嶽山の山頂へ向かいます。このときはただただ綺麗な山だなぁと思って眺めていました。
緩やかな登山道を登っていきます。上には雲1つありません。
この時点で下側をみた風景です。この日はとても不思議なきれいさをもつ風景でした。
御嶽山は登山道の途中にところどころこのようなところが出てきます。御嶽山は古くから霊峰として知られていますので、白装束に身を包んだ巡礼者もたくさん登山をされていました。
少しずつ頂上に近づいていきます。
だんだん登っていきます。この山が将来噴火するようにはとても見えませんでした。
上の快晴の風景とうって変わって、下のほうには大きな雲がふさがってきていました。
石室山荘かな?(ちょっとうろ覚えです・・・)
このあたりから緑がなくなっていくんですよね。
覚明堂付近の写真です。
そうそう、ここまで鳥居がある山ってめずらしいんですよね。
最初に御嶽山に来たときはそれが不思議でした。
御嶽山 頂上 剣が峰の風景 ~噴火前の穏やかな顔
いよいよ頂上へ向かいます。穏やかな日でした。僕たちは運がよかったのかもしれない。
遠くに御嶽頂上山荘が見えています。もうすぐ着きます。
ようやく山頂に着きました。ふだん登っている山たちとは違う風景が広がっています。りっぱな鳥居が立っています。いきなり83段もの階段が現れたので、どっと気持ちが疲れてしまい、僕らは山荘で休憩したのを覚えています。そんな僕らに山荘の方は無償でお茶を出していただいたんですよね・・・・。そんな山荘、今でもどこにもありませんでした。
奥社社務所です。百名山の山頂でこういった建物があるのは、富士山以外では御嶽山だけだったと思います。
さきほどの鳥居の上から見下ろした風景です。山荘の上に石が積んであるのがとても印象的でした。
信仰者のみなさんが御嶽神社頂上奥社でお参りされていました。ふだんはこんな感じで穏やかな風景だったのです。何人もの方がお参りされていました。話を聞くと、毎年山に登っているとのことで、かれこれ80回以上登ったという方もいらっしゃいました。
私が80才のときには登山をしているのだろうか・・・・
ふとそんなことを思ったときでもありました。
ちょうど、旧噴火口(右)のすぐ脇にお鉢巡り用の道があるのがわかります。
実際に噴火した場所はこの写真の真ん中左側のところです。
見た目にはなんでもない場所です。これが火山の怖いところで、富士山もそうなんですが、過去の噴火口から同様に噴火するとは限らないということがわかります。
旧噴火口の様子です。小さな湯気が出ていました。
御嶽山頂上(3,067m)です。この日は次第に雲が多くなって、景色は今ひとつでした。それでもここまで登って来れた私たちはとても幸せでした。
世界人類が平和でありますように・・・
御嶽頂上山荘にあった「山登り10訓」です。
今もこの10訓は変わりません。それでも・・・火山については、この10訓以上の覚悟が必要なのだと思います。
御嶽山 二ノ池から御嶽五ノ池小屋へ ~不思議な「賽の河原」の風景
私たちは頂上を後にし、五ノ池方面に向かうことにしました。30分くらい歩くと二ノ池に到着したので、二ノ池本館でうどんを食べました。
この二ノ池が日本の最高所の湖沼と言われています。
こういうときは何を食べてもおいしかったです。
さあ、向かいます。まずは賽の河原へ。このときは、
なんで賽の河原って名前なんだろう?
と思いながら歩いていたのですが、あとでその意味が分かってきます。このあたりはのどかにピクニックのような感じで進んでいきます。それでも周りは標高3000mに近いところですから、雲がとても近いです。
このあたりは綺麗な花たちが私たちを出迎えてくれました。
賽ノ河原が見えてきました。ふだん他の山では見ることができない不思議な光景が見えてきます。
なんだろう・・・ここは・・・。
積み上がった石たちがいくつもありました。まるでほんとの賽の河原のよう・・・
これが御嶽山の賽の河原か・・・
そう思いました。
写真では小さく写っていますが、仏像が何体もありました。
ここは不思議な風景でしたね・・・。
そろそろ・・・ということで、五ノ池に向けて出発します。ここから少しの間登りです。
三ノ池が見えてきました。御嶽山にある池のなかで一番きれいな池だと思いました。
摩利支天の祠(?)のところまで上がっていきます。
この日はたくさんの白装束の方とすれ違いました。
祠のある場所からはあとは下っていくだけです。ガレを五ノ池方面へ下っていきます。意外と急勾配だったので下りとはいえきつかったのを覚えています。(写真は三ノ池方面です)
御嶽五ノ池小屋での宿泊
私たちは御嶽五ノ池小屋で泊まることにしました。改築したてでしょうか。とても綺麗な山小屋です。
夕食の様子です。この日は登山2日目ということもあり、身体の疲れがどっと出ていました。おいしいご飯がとてもありがたかったです。
もうすぐ夜になります。月が出ていました。
翌朝、みんなで日の出を見ようということで起きて見ていました。雲海が広がるなか、僕らは太陽が出るのを見ていました。幸せでした。
摩利支天山方向の風景です。
御嶽五ノ池小屋 ~ 女人堂へ
3日目の朝、下山します。まずは女人堂へ向かいます。
三ノ池に近づいていきます。雲海の果てにあるのは南アルプスかな?
綺麗な花たち。御嶽はいろんな花が咲いています。秋の紅葉もいいのかもしれませんが、夏の花の季節も素敵でした。
道をどんどん進んでいきます。このルートからはもう御嶽頂上は見えません。
三ノ池に着いたときの写真です。
私たちはよくあんなところを歩いてきたなぁと振り返りました。
少しずつ下りていきます。眺めが最高の日でいい日でした。
途中、雪渓に出会いました。特にアイゼンとかは必要ありませんでした。ほんのちょっとだけ雪の上を歩いて行きます。
あとはひたすら登山道を歩いて行くと女人堂につきます。そして御岳ロープウェイまで行って下山しました。私たちの2泊3日の御嶽登山は無事に終わりました。
思い出の御嶽山登山 まとめ
御嶽山は数ある山のなかでも不思議な山でした。特に賽の河原の風景は忘れられません。女人堂から登ったときの御嶽山の風景は大好きな風景でした。
五ノ池小屋で摩利支天山を眺めている老夫婦と出会いました。お二人で地図を見ながら御嶽を登ってきたんだと私に話をしながらコーヒーを飲まれていました。そんなお二人がとてもうらやましく思い、そんな家庭を持ちたい、そう思ったのはこのときからです(まだ実現できていませんけれど・・・)。この山はたくさんの方の思い出を作っている山でもあると思います。
どのくらい時間がかかるのかはわかりませんが、かつての素敵な風景が復活することを私は祈っています。
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