完全版 鏡の法則 by 野口嘉則【書評】

心のはなし

以前から気になっていた本が完全版となって再版されたので読んで見ました。2006年のときには100万部を突破したベストセラーです。

 

本の前半は、子育てに悩んでいる主婦を通して、夫との関係、父親との関係への葛藤と解決を書いてあり、後半は詳しい解説が書かれています。

 

心の中で不満ばかり抱いていると、その心を映し出すように、ますます不満を言いたくなるような人生になっていきます。逆に、心の中で感謝することが多いと、その心を映し出すように、さらに感謝したくなるような出来事が起きてきて、感謝にあふれた人生になってくるのです。

 

本文からの一部を抜粋して記述しましたけれども、一言でいうとこの本が表したいことはこれが全てだと思います。

ただ、これだけでは「感覚」としては感じることができるけれども、きちんと「理解する」ことは難しいですよね。それが今回の完全版で詳しく書かれています。

 

夫を許す。父を許す。母を許す。そのための「8つのステップ」

この人のことを許したい・・・

この人をゆるすことができたら楽になる・・・

 

そのための「8つのステップ」がこの本には記述されています。作者の野口さんの詳しい解説があるのでぜひ一度は手に取って読んでいただきたいと思います。

 

【ステップ1】相手との間に境界線を引く

【ステップ2】感情を吐き出す

【ステップ3】行為の動機を探る

【ステップ4】感謝できることを書き出す

【ステップ5】感謝の言葉を復唱する

【ステップ6】謝りたいことを書き出す

【ステップ7】学んだことを書き出す

【ステップ8】宣言する

 

このなかで特に大切だなーと思うのは、ステップ1、2、3をきちんと行うことだと思います。ステップ1で自分を振り回す相手がいたままだと、いつになっても悲しい感情を吐き出しても、また同じ状況の繰り返しになってしまいますし、ステップ2で、悲しいまたは怒りの感情を出せなかったら、感謝へ向かうことはできません。感情は理性でコントロールするのは難しいからです。

 

【ステップ3】行為の動機を探る での注意点

ステップ3については以下のように本では書いてあります。

 

① あなたが「ゆるせない」と思った相手の行為を紙に書き出してください。

② 次に、相手がその行為をした動機を想像して、紙に書き出してください。人間の行為の動機は、大きく分けると2種類です。苦痛を避けたいか、喜びを味わいたいかです。

③ 書き終えたら、相手の行為を相手の未熟さや不器用さや弱さとして理解してください。

④ 次のように宣言してください。

「私がそうであるように、○○さんも苦痛を避けたかったんだ」

「私がそうであるように、○○さんも喜びを味わいたかったんだ」

 

たとえば、母親が自分の部屋の片付けを先回りにしすぎていらだっている子ども時代があったとしましょう。

その場合は、あなたが母親に対して

 

もうちょっと私を大人として扱ってほしい

自分のことは自分で決めさせてほしい

勝手に自分の部屋に入らないでほしい

 

という思いに駆られていて怒っているとします。何を言っても母は聞かなかった、と。だから母親のことをうっとうしく思っていていい感じがしない、という場合です。

 

こういう場合は、この母親は人によっては

 

「子どもにはいつも清潔な部屋ですごし喜んでほしい」

(この場合は清潔な部屋にいて喜んでいる子どもがいるのが喜び)

 

という願いもあって動いている人もいれば

 

「部屋は綺麗にしなければならない」

(この場合は部屋が汚い場合は苦痛)

 

という固定した考え方に沿って動いている人もいるかもしれません。この場合は子どもがどんな感情を持っているかどうかは全く関係がなく自分の考え方だけで突き進む方ですね。

 

この「行為の動機を探る」ときに注意する点について私の経験を踏まえると、母親が発達障害者(アスペルガー症候群など)だとわかるまで、この「動機」が理解できませんでした。

たとえば、母はお金の話になるといつも口うるさく言うことが多く、たとえば

 

「お金がなければ世の中生きていけない」

 

というようなことを小さいころから聞いていました。そのため、今までお金に対しての恐怖心がずっと残っていました。今ではそれが全てではないと理解しているのですが、小さい頃の記憶はさりげなく辛いものです。しかし、この言葉は「お金」という話題が会話のなかで出てくるものでものなく、突然何も前触れもなく言われたりしたため子供心でも理解できませんでした。

今、大人になってようやく理解したのですが、母はアスペルガー症候群の特有の反応をしており、ことお金の話になるとなぜか脈絡なく自分の意見を出す(こだわり)があるということに気がついたのです。

 

さて、ここで行為の動機を探るときの注意点についてですが、

 

相手が発達障害者(アスペルガー症候群)である場合は、発言する言葉や行動の「動機」が実はない

 

ということがあるということです。これは、言葉を発するのは、その人の「こだわり」から発せられたものであって、行為の動機がありません。生まれつき脳の一部の障害があるのが理由で起こるのが発達障害ですけれども、このような場合は相手の動機を考察しても意味がありません。

でも、そういうことがあるのだと知るだけでも違うと思いましたので今回記載しました。

 

参考までに発達障害についての説明があるサイトをご紹介しますね。

 

 

まとめ

今回、はじめて鏡の法則を読みました。この法則とは

 

私たちの人生の現実は、私たちの心を映し出す鏡である

 

という法則です。

誰かを強く責めている、それが意識的であろうが無意識であろうが、その場合は自分も責められる経験を繰り返していきます。少しでもみなさんにお役にたてれると思い書きました。どうぞ手に取って読んでみてください。

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