「発達障害、初診待ち最長10ヶ月」という記事を読んで

心のはなし

Yahooニュースを読んでいたら、次のニュースが目に入りました。

 

総務省行政評価局が、発達障害のある子どもの診断をしている医療機関の受診状況を調べた結果、半数以上の機関で初診までに3カ月以上待たされていることがわかった。中には約10カ月以上待たされる機関もあった。総務省は20日、厚生労働省に改善を勧告した。

 

僕の会社にも自閉症もしくはアスペルガー症候群ではないかと思う方が働いています。あいまいな言葉や感覚的な言葉で伝えようとしても本人はわかりません。ですから、何かを伝える場合は、具体的に、論理的に伝える必要があります。それでも人間ですから間違いが起こったりするので、根気強くつきあっていく必要がありました。

 

ただ、ふと思ったのは、

「ああ、この人は幸せに生きているなー」

「悪い人ではないよなー」

ということです。

 

ふつうの感覚や常識的なことは抜けているようには思いますが、その人自身は純粋無垢な感じがしています。それに、パターン化したことを行うことについては他の人より集中力が高いと感じます。まだ私にはわかりませんが、きっとこういう方々にはすごい才能があってそれにフィットする仕事ができるといいんじゃないかなーと思うんですよね。

ただ、そういう子どもさんを育てている親側から見たら子育てがとても大変なのかもしれない・・・とは感じます。ですから、

 

「自分の子は大丈夫だろうか?何か障害を持っているのではないだろうか?」

 

と心配されるかたも多いから、医療機関へ向かわれるかたも多いのだろうと想像しています。でも悲しいかな日本は「心のケア」であったり「精神医療」については、たいへんな後進国です。たとえば、精神科に行くと、ほとんどの病院はそもそもカウンセリングを行うのではなく「薬物療法」しか対応しません。僕も医者にかかったことがありますが、そこで

 

「薬物療法は対処療法にすぎないのではないか?」

 

と質問したところ、「そうです」とはっきり答えていました。

 

ですから、仮にこの発達障害の受診を試みたところで、医者は治すことができないと思いますし、実際他のテレビで出ていたお医者様は「発達障害者の障害を治すことはできない」と断言されていました。その理由は「先天的な障害(生まれ持ってきたもの)だから」だそうです。現在の医療でできるのは、患者側の生きづらさからくるうつ症などの二次障害を薬物療法や行動認知療法によってカバーするのだそうです。

心の問題は西洋医療だけで解決するのはどうなのだろう?と僕は思います。

 

では、心理カウンセリングではどうなのでしょう? 心理カウンセリングを行ったとしても、元々持っている先天的なものを変えることはできないでしょう。そうカウンセラー専門の方とも話をして聞いたことがあります。だから、本来生まれ持ったものを「変えよう」と思ってもそれは本人もできないことですし、「変えよう」と思う側も苦しむ一方だと思うのです。

 

僕はこう思います。生まれ持ったことで悩んでいるみんなが集まって話ができる場を多く作るほうがいいのではないかと。生まれ持った障害も才能と同じ「個性」として認め合い、みんなが自己肯定感を育めていくような社会になるとみんな幸せになるのではないか・・・そう思わずにはいられません。

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